COBOLシステムは昔からなくなると言われているみたいだけど、今はどうなのかな。
COBOLエンジニアを続けていくメリット・デメリットも知りたい。
あと、続けるべきか違う仕事をすればよいのか悩んでいるけど、どうすればよいのかな。。。
と、いった悩みや疑問がありませんか?
この記事を読むと、下記のことがわかります。
- COBOLエンジニアの将来性が低いワケがわかる
- COBOLエンジニアをやるメリット・デメリットがわかる
- COBOLエンジニアが今後のためにやるべきたった一つのことがわかる
どうも、コボログと申します。
プロフィールは下記のとおり。
COBOLプロジェクト歴があるので、それなりに信ぴょう性があるかと。
結論、COBOLエンジニアは仕事が続けられるが将来は低いです。
COBOLでの開発する環境と人が減っていくから。
これからもCOBOLを使い続ける企業はいますが、あくまでも「延命」という部分が多いです。
そのため、COBOLプロジェクトはあるが、少なくなっていくCOBOLシステム保守開発ばかりですよ。
この記事を読んでいただくと、COBOLエンジニアの将来性が低いワケとCOBOLエンジニアを続けるメリット・デメリットがわかります。
また、COBOLエンジニアの今後のために決めるべきたった一つのことを解説しているので、最後まで読んでみてください。
COBOLエンジニアの将来性が低い3つのワケ
COBOLエンジニアの将来性が低いワケは下記の通り。
- COBOL資産が減っていく
- COBOL技術者の推移が減少傾向にある
- 新規開発で使われにくい
一つずつ解説します。
COBOL資産は減っていく
COBOL資産は減っていくため、将来性が低いです。
レガシーシステムのマイグレーションが進むから。
日経クロステックで下記の記事がありました。
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は2023年3月16日、2027年の稼働を予定する次期全銀システムの基本方針を明らかにした。現行システムの動作プラットフォームである富士通製メインフレームの製造・販売や保守の終了が決まっていることなどを踏まえ、オープン基盤に切り替える方針だ。
全銀ネットが全銀システムのオープン化を表明、開発言語はCOBOLからJavaに|日経XTECH
あと5、6年でCOBOLがゼロになるとは言えませんが、徐々にマイグレーションが進むとCOBOLエンジニアとしての働き先が減っていきます。
COBOL技術者の推移が減少傾向にある
COBOL技術者の推移が減少傾向にあります。
技術者の確保が難しいから。
確保が難しい理由は下記のとおり。
- COBOLをやる若手が増えにくい
- ミドル層がやりたがらない
- ベテランは引退していく
新しいCOBOLエンジニアが増えにくく、経験者が減っていくのでCOBOLエンジニアは推移が減少しています。
COBOL技術者の推移が減少している理由を別記事の「迫りくるCOBOL技術者不足時代【安定した未来を手に入れる方法】」にまとめているので、参考にどうぞ。
新規開発で使われにくい
新規開発で使われにくいのも将来性がない一つの要因です。
新しくシステムを作るのにCOBOLを使う必要がないから。
システムを新しく作る場合の下記のような選定基準があります。
- 開発者が多いプログラミング言語(今後も人材を確保しやすい)
- Web系やAIなどの新しい技術で使いやすい言語(コミュニティのサポートの充実)
- ITインフラのコストが安いもの(高価なメインフレームよりもクラウドの利用)
長くシステムを使おうという観点から、COBOLは新規開発に使われにくいです。
COBOLエンジニアをやるメリット・デメリット
COBOLエンジニアをやるメリット・デメリットは下記のとおり。
- メリット①希少な存在になれる
- メリット②取得難易度は低い
- メリット③業務に強くなれる
- メリット④年収アップが狙える
- デメリット①既存システムを理解するのが難しい
- デメリット②職場の環境が古い可能性が高い
- デメリット③困った時に対処する情報を集めにくい
- デメリット④開発経験が偏る
- デメリット⑤運用面の知識がつきにくい
一つずつ解説します。
メリット①希少な存在になれる
COBOL技術者が不足しているから。
新しくCOBOLをやる人と続ける人が少ないのに、まだまだCOBOL資産は残ります。
人が少なくなるがシステムが残るため、COBOLをやり続けると希少なエンジニアになれますよ。
メリット②取得難易度は低い
簡単な英文法のため。
当時、IT技術の知識が少ない事務員さんでもコーディングできるようにCOBOLが開発されました。
判断する時は「IF」、データを移送する時は「MOVE」をコーディングで使用します。
簡単な英語がわかればCOBOLはできますよ。
メリット③業務に強くなれる
業務を把握するのが仕事がしやすくなるコツだから。
COBOLのシステムは基幹システムに使われることが多く、企業の業務に関わるものが多いです。
私の体験談ですが、クライアントが作った要件定義書の説明を受ける時は、設計書と異なり業務名で書かれます。
そのため、
といった話がされます。
など、業務も意識できると、クライアントと話しやすなったり、仕事が進めやすくなったりしますよ。
メリット④年収アップが狙える
COBOLエンジニアは年収アップが狙えます。
企業がお金を出してCOBOL人材を確保したいから。
日経がエンジニアに行った下記の年収に関する調査があります。
最も高い年収だったのは「COBOL」をメインに使っているITエンジニアだった。平均年収は741万円だ。不人気言語のCOBOLだが、メインに使っているエンジニアの平均年収は高いことが分かった。
開発言語別の技術者年収ランキング、不人気だが高収入を望める言語はあれだ|日経XTECH
理由としては、まだまだCOBOLを使い続ける企業がいるが、COBOLをできるエンジニアの確保が難しくなっているのが現状です。
また、COBOLエンジニアの年収事情を別記事の「ご存知ですか?COBOLエンジニアの平均年収【年収アップするための方法も解説】」にまとめているので参考にどうぞ。
COBOLが求められている企業では年収アップが期待できますよ。
【注意】年収アップできるかは企業しだい
と思われるかたは、会社が悪い可能性が高いです。
IT業界には下請け構造があるため。
下記のとおり。
下請け企業にいると、買い叩かれる恐れがありますよ。
下請け企業から抜け出すためには転職
というかた向けにおすすめなアクションは「転職」です。
会社を脱出できるから。
私の体験談|一次受け企業に転職して年収が約100万円アップ
私の転職前後での年収の差は下記の通り。
転職前の会社 | 転職後の会社 | |
会社 | 日系 | 外資 |
昇給 | 10年勤めて数万円 | 5年勤めて約40万円 |
家賃手当 | なし | 月3万円 |
確定拠出年金 | 年でおよそ10万円 | 年で約24万円 |
保険組合からの手当 | 健康診断あり | ・健康診断あり ・カフェテリアポイント 年3万ほど支給あり |
ちなみにCOBOLエンジニアとして転職しました。やることがあまり変わらないのに、年収や待遇面が変わりこんな世界線があるのかと驚きました。
転職活動してみたいけどできるのかな?というかた向けに、COBOLエンジニアの転職のコツを別記事の「COBOLエンジニアは転職できない?【転職成功率アップする方法も紹介】」にまとめているので、参考にどうぞ。
デメリット①既存システムを理解するのが難しい
長い間稼働しているシステムのため。
下記のようなことがあります。
- 仕様書にない処理がある
- ドキュメントが残っていない
- 有識者の頭にしか仕様が残っていない
COBOLはワケありシステムといわれる理由は、いままで作られたシステムを理解することです。
デメリット②職場の環境が古い可能性が高い
長く働いている人が多いから。
私の体験談|保守的な考えが多い
私がアサインされたCOBOLプロジェクトの現場では下記のような方もいました。
- 設計書の管理がされていても長年使われているエクセルを使い続ける
- 打ち合わせはリモートではなく対面でやる
- チャットやメールよりは電話を使い続ける
- 新たなツールを導入されても、今までのやり方で作業する
COBOLを使い続けるのと同じように、今までのやり方を貫き続ける人が多いと環境が見直されにくいです。
職場環境が古いダメな理由や他にも気を付けるポイントを別記事の「注意!COBOLエンジニアはやめとけと言われる7つの理由【COBOL歴15年が解説】」にまとめているので、参考にどうぞ。
デメリット③困った時に対処する情報を集めにくい
他の言語よりも情報が少ないため。
エンジニアの知識を共有するサービスのQiitaでキーワード検索してでた記事の数(2023年7月時点)は下記のとおり。
プログラミング言語 | 検索数 |
---|---|
COBOL | 約780記事 |
Java | 約60,110記事 |
COBOLとJavaの情報量を調べると、およそ100倍も情報量に差があるので、困った時に情報を集めにくいです。
デメリット④開発経験が偏る
保守開発ばかりになるから。
特に下記のような対応が多いです。
- 新しい商品が販売されたら既存の類似商品にあわせてコードを追加
- 制度改定で既存のコードで判定している箇所に新たなコードを追加
- 予備域(FILLER)を項目に変更
コードばかりの簡単な追加ばかりなので、あまりコーディングする際に考えられないでしょう。
デメリット⑤非機能要件が身につけにくい
どうしても開発側の視点ばかりになるからです。
非機能要件とは、機能要件以外のことです。例えば1トランザクションで処理にかかる時間といった、機能以外の部分を指します。
私の体験談|非機能要件がわかると他のキャリアで役にたつ
今はITコンサルとしてCOBOLのマイグレーション案件に参画していますが、クライアントから非機能要件の話が多くでます。
インフラの整備やアプリ側の処理の見直しなどが発生しています。
改善するために非機能要件も理解していないと仕事にならないことが多いです。
COBOLエンジニアが今後のために決めるべきたった一つのこと
と悩まれるかたが決めるべきたった一つのことがあります。
それは、COBOLエンジニアを続けるか、続けないかです。
決めておかないとCOBOLエンジニアを続けても辛くなるから。
これからもCOBOL資産は残ります。COBOLエンジニアとして10年〜20年とかは仕事を続けられるかと。
しかし、将来性が低いことを踏まえて仕事しないと続けられないかもしれません。
COBOLエンジニアを続ける大前提は「今」の仕事が嫌いじゃない人
COBOLエンジニアを続けるかで1番大切なことはCOBOLエンジニアの仕事が「嫌いじゃない」ことです。
嫌いなことを続けるのは辛いから。
COBOLエンジニアを続けるのをおすすめできる人
これからもCOBOLエンジニアを続けるのは下記のような人がおすすめです。
- 一つのことを突き詰めたい人
- 現場で働くのが好きな人
- 長く一つの現場で働きたい人
- 年代が高い人とコミュニケーションが取るのが得意な人
- 定年までの期間は20年未満の人
- COBOL以外にもJCL,DBなどの知識がある
- COBOLエンジニアとしてスペシャリストのキャリアを考えている人
- COBOLエンジニアのフリーランスを検討できる人
当てはまるのが多い方はCOBOLエンジニアを続けてもよいかと。
COBOLをやり続けてくれる人を探している企業もいます。
そのような企業に出会えれば、あなたが定年を迎えるまでCOBOLエンジニアを続けられるでしょう。
COBOLエンジニアとしてキャリアアップするなら転職がおすすめ
COBOLエンジニアとしての仕事は嫌いではないが、今の労働環境に不満がある場合、転職してみるのがおすすめです。
COBOLの需要をいかせれば、キャリアアップや年収アップが期待できますよ。
転職活動が気になる方向けに、COBOLエンジニアの転職方法を別記事の「COBOLエンジニアは転職できない?【転職成功率アップする方法も紹介】」にまとめているので、参考にどうぞ。
COBOLエンジニアを続けるのをおすすめできない人
下記の項目に多く当てはまる方はCOBOLエンジニアを続けるのがおすすめできません。
- 新しいことを覚えてみたい人
- 管理側の仕事に興味がある人
- 色々な現場で働きたい人
- 若い年代の人とコミュニケーションが取るのが得意な人
- 定年まで20年以上の期間がある人
- COBOLエンジニア以外の言語に興味がある人
- アプリ開発以外にクラウド・インフラなどが気になっている人
- COBOLエンジニア以外の副業をやってみたい人
COBOLエンジニアとして仕事を続けるのに、不安が大きい人は違う道を選んだほうがよいかもしれません。
昨今、IT業界は人材不足です。
挑戦してくれる人なら経験値がない人でも欲しいと考える企業はいますよ。
他言語での開発経験はなくても、あなたにはCOBOLエンジニアとしての開発経験あります。
未経験の人よりもITエンジニアの仕事を理解しやすいため、即戦力を目指せますよ。
COBOL以外のスキルを身につけるなら副業するのがおすすめ
という方は、副業を始めてみるとよいですよ。
新たなスキルを身につけられるからです。
COBOLエンジニアの経験をいかしつつ、新たなスキルを身につけるのにおすすめな副業を別記事の「間違いだらけのCOBOLエンジニアの副業案件の探し方【経験をいかしてできる副業を紹介】」にまとめているので、参考にどうぞ。
【まとめ】COBOLエンジニアを続けるか続けないかを決めて行動しよう
これからもCOBOLを使う企業がいるので、COBOLエンジニアには重要があります。
しかし、マイグレーションが進んだり、技術者が減ったりするので将来性は低いです。
COBOLエンジニアを続けるメリットとデメリットは下記のとおり。
- メリット①希少な存在になれる
- メリット②取得難易度は低い
- メリット③業務に強くなれる
- メリット④年収アップが狙える
- デメリット①既存システムを理解するのが難しい
- デメリット②職場の環境が古い可能性が高い
- デメリット③困った時に対処する情報を集めにくい
- デメリット④開発経験が偏る
- デメリット⑤運用面の知識がつきにくい
少ない需要を活かせば道はありますが、一つのスキルだけなのが長く働くには不安要素の一つになります。
と悩んだままだと、COBOLをやり続けるのを悩み続けるかと。
今後もCOBOLをやり続けるか決めれば、あなたの理想の生活を歩めますよ。
行動するのが大切です。
最後に、COBOLエンジニアを続けるのがおすすめな人は下記のとおり。
- 一つのことを突き詰めたい人
- 現場で働くのが好きな人
- 長く一つの現場で働きたい人
- 年代が高い人とコミュニケーションが取るのが得意な人
- 定年までの期間は20年未満の人
- COBOL以外にもJCL,DBなどの知識がある
- COBOLエンジニアとしてスペシャリストのキャリアを考えている人
- COBOLエンジニアのフリーランスを検討できる人
COBOLエンジニアを続けていくなら、転職すると需要をいかせますよ。
COBOLエンジニアの転職情報を別記事の「COBOLエンジニアは転職できない?【転職成功率アップする方法も紹介】」にまとめているので、参考にどうぞ。
COBOLエンジニアを続けるのがおすすめできない人は下記のとおり。
- 新しいことを覚えてみたい人
- 管理側の仕事に興味がある人
- 色々な現場で働きたい人
- 若い年代の人とコミュニケーションが取るのが得意な人
- 定年まで20年以上の期間がある人
- COBOLエンジニア以外の言語に興味がある人
- アプリ開発以外にクラウド・インフラなどが気になっている人
- COBOLエンジニア以外の副業をやってみたい人
COBOLを続けることに不安を感じているなら行動したほうが、将来も後悔しない仕事人生を歩めますよ。
とはいえ、新しいスキルをつけるのに何から始めてよいかわからないなら「副業」を始めるとよいですよ。
ちなみに、COBOLエンジニアには、すでに副業をやるのに向いているスキルがついていますよ。
COBOLエンジニアが副業に向いている理由や新しいスキルをつけて将来の働くことに困らない、おすすめな副業を別記事の「間違いだらけのCOBOLエンジニアの副業案件の探し方【経験をいかしてできる副業を紹介】」にまとめているので、参考にどうぞ。
将来も働き続けるために、あとは行動あるのみ。
この記事が「COBOLエンジニアの将来性が心配」だったかたの参考になれば幸いです。