なんか古い言語だし、やめておいたほうがよいって聞くけど、どうしてかな。
COBOLエンジニアをやるなら、メリットとデメリットがあるか知りたい。
と、いった悩みや疑問がありませんか。
この記事を読んでわかることは下記のとおり。
- COBOLエンジニアはやめとけと言われる7つの理由がわかる
- COBOLエンジニアをやるメリット・デメリットがわかる
どうも、コボログです。
私の経歴は下記のとおり。
年代 | 職業 |
---|---|
20代 | ・独立系企業 ・金融業界 ・メインフレーム系COBOLのSE |
30歳〜34歳 | ・外資系会社 ・金融業界 ・メインフレーム系のCOBOLのSE |
35歳〜現在 | ・外資系会社 ・金融業界 ・COBOLマイグレーション案件のITコンサルタント |
新卒から15年以上社会人経験がありますが、ほとんどがCOBOLプロジェクトに携わっているので、COBOLに関する情報発信はそれなりに信ぴょう性があるかと。
「COBOLエンジニアはやめとけ」と言われるのは会社や人の問題が多いです。
システム開発は企業文化やチームによって全く違うものになるから。
作るシステムの業界や開発に携わった会社によって開発方針が違います。その方針の違いが「COBOL やめとけ」と言われる大きな要素です。
そのため、COBOLやめとけ!と言われる理由が、人によってはあてはまったり、あてはまらなかったりするかと。
この記事では、15年以上COBOL案件に携わった経験をベースに、COBOLエンジニアはやめとけと言われる7つの理由をまとめました。
また、COBOLエンジニアをやるメリット・デメリットも解説しているので、COBOLエンジニアをやるかの参考にご覧ください。
COBOLエンジニアはやめとけと言われる7つの理由
COBOLエンジニアはやめとけと言われる7つの理由は下記の通り。
- 職場環境が古い
- 謎のルールが多い
- 給料が増えない
- 下請け企業
- 若手がいない
- 協力会社の人が多い
- 新しい技術を学べない
一つずつ解説します。
職場環境が古い
職場環境が古い会社はおすすめできません。
時間的な損失が多くなるから。
例えば、下記のような職場は注意が必要です。
- 紙文化で、黄ばんだマニュアルや資料がたくさんある
- 本社の人とのやりとりは本社に行かないとできない
- 業務スペースでスマホが使えない
- 業務中にインターネットでの調べ物ができない
- 築年数が古いビル(設備が古かったり、買い物が手間だったりする)
項目によってはクライアントの制約の可能性もあるので、なんとも言えない面もあります。
しかし、職場の環境を新しくするのに、クライアントも会社も前向きでない場合、仕事をでの機会損失が多い可能性が高いです。
私の体験談|職場環境の例
2023年時点で私は2社勤めました。
特に自社内の環境の良さで違いを感じました。
主な差は下記の通り。
比較項目 | 1社目 | 2社目 |
---|---|---|
PCの支給 | 管理職のみ チームで1台を共有 | 1人1台あり |
会社とのやりとり | 自社のPCのみ (本社や営業所にいってやる) | 会社のポータルサイトを利用 下記で見れる ・会社のPC ・自分のPC ・スマホ |
給与明細 | 紙 | 電子 |
1社目は古め、2社目は新しい環境に適応していると感じます。文化の違いに転職後に驚きました。
謎のルールが多い
謎のルールが多いとこもエンジニアを続ける注意が必要です。
変えることが難しいから。
私の体験談|チームのエビデンスじゃないとダメ
私がとあるクライアント先で働いていた時のことです。
ざっくり下記の流れで仕事をしました。
- Aチームにアサインされていた
- Bチームが人手不足だからBチームにアサインしてテスト工程をやる
- Bチームにエビデンスをまとめるルールは特になし
- 私はAチームでテストの際に使った実績があるツールを使用
- ツールの内容:VBで作った、データの新旧を比較して、差分をわかりやすくするツール
そしてテスト結果をまとめたので、レビューアの方に依頼をしたら、
ツールの説明をしたのですが、
と、まったく受け付けてもらえませんでした。
謎のルールを押し付けてくる人がいる場合、仕事を進めにくくやばい現場の可能性が高いかと。
給料が増えない
給料が増えないのも、やめておいたほうがよい職場の特徴です。
会社としても社員に還元する力が低いから。
私が勤めた会社では下記のような差がありました。
※前提として、1年間やるべき仕事をしています。
1社目 | 2社目 | |
---|---|---|
会社 | 日系東証一部上場 | 外資系 |
昇給額(1年あたり) | 数百円 | 数万円 |
昇給額(累計) | 10年勤めて 累計5万円 | 5年勤めて 累計40万円 |
お金が全てとはいいませんが、同じCOBOLエンジニアでも、ここまで収入に違いがでると転職して知りました。
下請け企業
孫請けや2次受けといった下請け企業もやめといたほうがよいです。
エンジニアとしての経験を積みにくいから。
とりあえず人が足りない企業から要望があれば、アサインされます。
クライアント企業と直接やりとりすることはなく、とあるベンダーの一員として働くかと。
そのような方は、色んなプロジェクトに行けるのが良い面です。
しかし、指示されて下流工程に携わる経験ばかりに偏るので、エンジニアとしてのスキルはつきにくいでしょう。
上流工程を経験できないとどうなる?
上流工程を経験できないとエンジニアは仕事の理解度が低くなります。
指示があった内容で作業することが多く考えることが少ないから。
下記のような傾向があるかと。
- プログラマーやテスターばかりの経験でナレッジがたまらない
- 業務的な理解ができない
- 要件の理解や設計の意図を考えにくい
- 指示待ち人間になる
- 関わっているプロジェクトの状況を気にしなくなる
新人とか若手ならしょうがないです。しかし、ある程度COBOLエンジニア歴があって下流工程しか経験を積んでいないと、将来的にも下流工程しか任されないでしょう。
若手がいない
若手がいない現場も注意したほうがよいです。
社会人としての機会損失につながるから。
下記のような恐れがあります。
- いつまでも若手扱い(昇格しにくい)
- 後輩育成ができない(昇格しにくい)
- 上司がいなくなったら、あなたにしわ寄せがくる
継続的に人材を確保できる会社でないと、今後のチーム運営が黄色信号です。
協力会社の人が多い
協力会社の人ばかりなのもの、仕事をするうえで問題があります。
業務をするパワーバランスが悪くなるから。
傾向としては下記のものがあります。
協力会社さん | 傾向 |
---|---|
業務に詳しい | ・ベンダーさんに色々教わる ・仕事では主導権を握られる |
業務に詳しくない | ・こちら側が仕事の主導権を握る ・ベンダーさんに教えることが多く、 仕事が進みにくい |
そのため、自社の社員(プロバー)と協力会社の人数やスキルのバランスがよいほうが仕事がしやすいでしょう。
新しい技術を学べない
新しい技術を学べないから、COOBLエンジニアはやめとけと言われます。
レガシーシステムの案件が多いから。
昔からあるメインフレームの環境で、多くのCOBOLシステムが構築されており、COBOLエンジニアはレガシーシステムの保守開発にアサインされることが多いです。
そのため、オープン系やJavaやPythonといった言語に触れる機会が少ないまま、COBOL資産がじょじょにマイグレーションされていき、将来的になくなるからやめとけ!と言われています。
COBOL資産はなくなるの?
と心配されるかもしれませんが、COBOLは簡単になくなりません。
なくすハードルが高いから。
私が新卒の時(2007年)からCOBOLはなくなると言われていました。しかし、2023年の現在でもまだありますし、今も企業がなくすためのがんばっても、簡単に進められず悩んでいます。
COBOLがなくならない理由を別記事の「なぜCOBOLはなくならないのか?【COBOLエンジニアを続けた未来も解説】」にまとめているので、参考にどうぞ。
正直、COBOLだけが悪いわけではない
「COBOLエンジニアはやめとけ」と言われる理由を紹介してきました。
なんとなく、COBOLが悪いの?って感じがしませんでしたか?
正直、COBOLをやめとけと言われる主な理由はCOBOLが悪いわけではありません。
会社や現場の人が悪いことが多いため。
文化を作るのは「その会社」にいる「現場の人」です。
そのため文化が合わないと感じる場合、現場を離れるほうが得策だったりします。
COBOLエンジニアをやるメリット・デメリット
COBOLエンジニアをやるメリット・デメリットは下記のとおり。
- メリット1:取得難易度が低い
- メリット2:年収がアップが狙える
- メリット3:希少な存在になりやすい
- デメリット1:基幹システムを扱うので正確さを求められる
- デメリット2:30代でも若手と言われる
- デメリット3:新規開発の経験が積めない
順番に解説します。
メリット1:取得難易度が低い
COBOLは取得難易度が低いです。
文法が英語に近く理解しやすいため。
下記のような命令文があります。
処理の種類 | COBOLの命令文 |
---|---|
移送処理 | MOVE |
判定処理 | IF |
計算処理 | COMPUTE |
COBOLは取得難易度が低いので、とっかかりには良い言語でしょう。
メリット2:年収アップが狙える
COBOLエンジニアは年収アップが狙えます。
供給よりも需要が多いから。
COBOLは歴史がある古い言語です。昔からCOBOLで作られてあシステムがありますが、新しいやる人が増えにくいです。
そのため、COBOLプロジェクトの需要とCOBOLエンジニアは供給のバランスから見ても希少価値があり、給料が高くなる可能性がありますよ。
別記事でCOBOLエンジニアの年収事情を「ご存知ですか?COBOLエンジニアの平均年収【年収アップするための方法も解説】」にまとめているので、参考にどうぞ。
メリット3:希少な存在になりやすい
COBOLプログラマーは希少な存在になりやすいです。
COBOLを新しくやる人が少ないため。
多くの大企業や金融機関では、今でもCOBOLを使ったシステムを運用しています。維持するためには、COBOLのスキルを持つプログラマーが必要です。
しかし、COBOLをやりたいという人が減っているので、COBOLプログラマーはますます希少になります。
COBOLエンジニアが不足している理由を別記事の「迫りくるCOBOL技術者不足時代【安定した未来を手に入れる方法】」にまとめているので、参考にどうぞ。
デメリット1:正確さを求められる
COBOLでの開発は正確さを求められることが多いです。
COBOLは多くの大企業や金融機関で基幹システムの開発に使用されているから。
例えば、銀行の取引システムが一時的に停止した場合、顧客がお金を引き出せないといったトラブルが起きます。
結果的に、銀行の評判を損なって人が離れる可能性があります。
COBOLプログラマーは正確さを重視して、仕事を求められやすいです。
ちなみに、システム障害が起きた時にどのような影響が出るかは、みずほ銀行のシステム統合の情報を調べるとよいです。
テレビとかネットニュースで見かけたものの、リアルがわかるので下記のような本を読むと、システム開発に対する意識が変わるかもしれません。
デメリット2:30代でも若手と言われる
コボラーの世界では、30代でも若手と言われることがあります。
20代からCOBOLをやる人が少ないから。
私の体験談|30歳で転職してCOBOLプロジェクトにアサインされたら若手だった
私は、COBOLエンジニアの経験をいかして30歳で転職しました。
新しくいったクライアント先では、当時30歳の私が最年少でした。
(いいかは置いておき)サインされたチームには新卒が入るようなこともないです。
その後も私のいるチームには私より若い人が入ってきません。
若手と言われてデメリットがあるの?
若手と扱われるくらいは問題がないですが、それよりも問題なのは新しい人が入ってこないことです。
若手が入らない現場は、今後も増えにくいので会社としても力を入れていないと言えるでしょう。
人材の流動が悪くなるので、COBOLエンジニアをやるなら、そのような現場から異動したほうがよいかもしれません。
デメリット3:新規開発の経験が積めない
新規開発の経験を積む機会がほとんどないかと。
COBOLのプロジェクトは主に既存のシステムの保守開発が多いため。
例えば、COBOLが使われている銀行や保険会社では、COBOLを使用したシステムが長年にわたって運用されています。
そのシステムを維持するために保守開発することが多くなってしまうのです。
新規開発の経験を積みたいなら
と思われるかもしれませんが、そのような方はマイグレーション案件に参画するとよいかと。
COBOL+αができるエンジニアになれるから。
ツールを使うことも多いですが、マイグレーション案件では新規でJavaに置き換えたり、ベースがある設計内容を見直したりします。
マイグレーション案件にいけば、COBOLエンジニアとして新規開発の経験もつめるでしょう。
まとめ|COBOLエンジニアをやるなら良い面と悪い面を理解しておこう
この記事をまとめます。
- COBOLをやめとけと言われる理由の多くは、会社や人の問題
- COBOLのメリットは、覚えるのが簡単な言語。年収が高く希少な存在になりやすい
- COBOLのデメリットは、正確さを求められる仕事が多い。若いほど希少な存在。保守開発のアサインが多い。
COBOLエンジニアは入口が広いのですが、続けるのはそれなりに大変です。
しかし、他のプログラミング言語のエンジニアになったとしても、何かしらやめとけと言われる理由や良い面と悪い面があるかと。
COBOLはシステム開発の基本を学べる点としては、エンジニアの入り口として、やってみるのはよいかもしれません。
COBOLしかできないエンジニアって将来性あるの?
と、今の時代COBOL1本で仕事するのはありなのか気になるかと。
これからCOBOLエンジニアをやる場合、「対策」が必須です。
将来的にリスクや課題があるから。
現代は「変化」が激しい時代です。例えば、「コロナ」や「ウクライナ情勢」などの社会情勢によって「働けなくなる」恐れがあります。
そのため、社会情勢が変わってもCOBOLエンジニアを続けるための対策をしないといけません。
※ちなみに、COBOL以外のプログラミング言語をやっても同じように外的要因の影響は受けます。
そこで、COBOL歴が15年上の筆者が別記事で「COBOLしかできないエンジニアのための戦略【将来性を上げる3つの対策あり】」をまとめていますので、参考にご覧ください。
この記事が「COBOLエンジニアはやめとけ」と、なぜ言われるのか気になっていたかたの参考になれば幸いです。
合わないなと思った現場でがんばり続けるのは、精神的に辛くなってしまうほうが損失が多くなります。